九品仏みち大田区教育委員会により設置された案内板によると、この石塔は文化十一年(1814)に建てられた庚申供養塔であるという。塔は角柱型になっているが、このような形は江戸時代後期に特徴的なものだそうだ。 背面には建立のいわれが刻まれている。品川の御忌講の人々が建てたとされている。御忌講とは、案内板によれば浄土宗を信仰する人々であるという。 注目すべきは、塔の右面に「従是九品仏道」と刻まれていることである。この塔は中原街道から分岐する道の角に建てられている。庚申供養塔という信仰のものであると同時に道標の役割も果たしているわけである。「従是九品仏道(これよりくほんぶつみち)」ということは、ここから九品仏浄真寺へ向かう道が中原街道より分岐していたことになる。 大田区教育委員会は「この地点が中原街道から浄真寺に至る旧道の分岐点に当たることは古い地図からも確認できる」と案内板に書いている。私はそれを読んだ瞬間、その場で「古い地図」を見たくなった。同時に、この「九品仏道」探訪というテーマができたことにこの上ない歓びを覚えた。ワクワクしてたまらなくなってきた。必ずこの旧道を突き止め、九品仏浄真寺までたどり着きたいと思っている。
by ebara_explorer
| 2007-06-24 23:59
| 古道
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