五本木庚申塔群

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 目黒区の五本木は「昔、五本の木があったから五本木」という単純な成り立ちの地名である。ただ、地名としては六本木の方が有名なので、五本木だと何となく足りない気がする。

 五本木にある庚申塔群を訪れた。目黒区守屋教育会館の裏手にある。守屋教育会館は、小学校の頃からよく訪れた施設だ。ここには区の郷土資料室もある。すでに何度も行ったことがあるが、荏原の史跡を巡る旅に際して、改めて見に行かなければならないところではある。

 それはまた今度にして、今日は庚申塔だ。ここには地蔵菩薩像一体と庚申塔四基が並んでいる。案内板によれば、貞享三年(1686)から文化七年(1810)にかけての年号が刻まれているという。どれも状態が良くて、しっかりと残っている。

 庚申塔建立のもととなる庚申信仰では、干支の庚申にあたる日の夜を寝ずに過ごし、長寿・息災を祈る庚申待が執り行われる。この日の夜は人間の体内にいる三戸の虫が体を抜け出し、天帝にその人の悪事を報告するという。その報告により短命になってしまうので、庚申の夜は寝てはいけないとされている。中国から伝えられた信仰だそうだ。

 庚申待の行事は集団で行われた。その集団が庚申講と呼ばれるものである。そして、六十日に一度の庚申待を足かけ三年、連続して十八回行うと、供養のために塔を建てるようになった。それが今に残る庚申塔である。建立された年代から、この辺りでは江戸時代に盛んに庚申待を行っていたことが窺われる。

 庚申待はどのような行事であったのだろうか。皆が夜通しで集まるから、酒食が振る舞われたのだろうか。この辺りの名産の筍が持ち寄られたりしたのだろうか。身近な庚申塔をもっと調べて、荏原の信仰の在り方を知りたいと、改めて思った。


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by ebara_explorer | 2007-07-18 11:47 | 庚申塔
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