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粕谷八幡神社

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 八幡宮めぐりを始めたときから、京王線の八幡山駅には目を付けていた。近くに八幡神社があるに違いないと、駅周辺の地図を眺めた。視線を下へ持っていくと、はたして芦花公園という公園の一角に八幡神社を見つけた。

 この社は、地図で見ると「八幡神社」としか書いていない。「○○八幡神社」という名が冠されていなかった。現地に行ってみれば名前がわかるかもしれないと思って、期待を胸に出かけてみた。

 八幡山駅から環状八号線沿いを南へ歩いて行くと、右手に大きな公園が見えてきた。その一角に森閑とした木立があった。そこが「八幡神社」である。

 入口にある由緒書きを見てみると、そこにもやはり「八幡神社」としか書かれていなかった。しかし、ここの地名が粕谷であり、かつての柏谷村の鎮守にもなっていたことから、柏谷八幡神社と呼んでも良いのかもしれない。

 由緒書きでは、創立については不明であるとされていた。ただ、この地が鎌倉時代に粕谷三郎兼時の所領であったことから、粕谷氏によって八幡神が勧請されたのではないかとする説もある。

 境内には幹の太い古木があり、昼でも暗い感じであった。小さな本殿に参る。昭和三十四年に再建されたものだという。本殿前の狛犬はさらに新しく、平成十八年と刻まれていたから、わずか一年前に建てられたものだ。
粕谷八幡神社_e0123189_2250334.jpg

 薄暗い境内の奥には、小さな祠があった。この社に合祀されている神々の祠である。厳島姫命、宇迦御魂命、日本武命、於母陀琉命、疽神というそうそうたる神が祀られているが、実に小さなものであった。

 境内を後にしようとすると、由緒書きとは別の案内板を見つけた。それは「わかれの杉」について書かれたものである。この「わかれの杉」とは、近くに住んでいた作家の徳富蘆花が名付けたものだそうだ。徳富蘆花は、客人をいつもこの八幡神社の杉の下で見送っていたという。また徳富蘆花だけでなく、かつて粕谷の人たちが兵役に応召されたとき、八幡神社で武運長久を祈願し、郷土の人々と別れたという歴史もあるそうだ。八幡神社が、この粕谷の歴史を見守ってきたことを知り、感慨深いものがあった。



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by ebara_explorer | 2007-10-03 22:51 | 八幡宮めぐり
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