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浦守稲荷神社

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 三輪厳島神社から産業道路に沿って南へ下り、森ヶ崎へ向かうバス通りを西へ向かうと、前の浦という交差点に出る。現在ではここから海岸までまだ少し距離があるが、かつてはこの辺りが海岸であったことをうかがわせる地名だ。この前の浦の近くを羽田道という旧道が通っている。東海道から羽田弁天社を結ぶ道筋であったという。その途中にあるのが、浦守稲荷神社である。
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 面白い名前のお稲荷様だと思った。浦守という名から「浦を守る」という意味合いが浮かんでくる。穴守稲荷神社のいわれに通じるところがあるように思われる。境内の由緒書きによれば、今からおよそ三百年前に創建されたというから江戸時代の中期の頃のことであろう。当時、この辺りは海辺の茅原で、周辺に農業や漁業に営むわずかな人々が住んでいたという。それらの人々が稲荷を祀ったのが起源とされている。その後宝暦年中(1751-1764)になって、前の浦の開拓に熱心であった伊東藤兵衛大人の努力により、神社の設備も整ったそうだ。

 明治になると神徳が都内まで広まったそうで、また境内の一隅に白蛇弁天が出現したので、土地の人々はもとより京浜間の信仰する者が「弥栄弁天講」を作り、年々団体で参拝するようになったということである。稲荷信仰と弁天信仰が密接に関わっていると言える神社ではないだろうか。境内の一隅には、紅い鳥居のお稲荷様と対照的な、白い鳥居を持つ白蛇神祠が祀られていた。

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by ebara_explorer | 2008-10-02 18:07 | お稲荷様
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